読書: 死にカタログ  寄藤文平著 大和書房

この本を読むと、死に対して非常に、何というか、冷静になれる気がする。確率的には、癌を中心とした病気に気をつけて、交通事故にも合わず自殺もしなければ、ほぼ平均寿命までは生きることになるのだろう。現代日本に住む人間としては。それはそれで長生きするリスクが生じる訳だけど。
『いつ死ぬか』という時期とは別に、死に対する態度も重要なポイント。本の中では7つに大別したあったけど、個人的にはその中でも、受け入れる、というのが最も好きかな。きちんと毎日を過ごし(作者の言うところの、『毎日ちょっとずつ折りたたんでおく』ことかと)、死を最後の仕事として受け入れる。できるかどうかは別としてそれが理想。
最後に、生き方(死の物語)として様々な人々の例が出てくるけど、結局理想的と思えたのは、寄藤知律、作者のおじいちゃんの〔普通に老衰〕か、ピカソの〔最後まで人生満喫〕だな。ヒロイックな人生は、いいや。

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